五十肩の3つの病期について

五十肩の3つの病期

この記事の大まかな内容

  • 五十肩は「急性期」「慢性期」「回復期」の3つの段階を経る
  • 急性期は安静が第一。短い人で約1ヶ月。長い人で約2ヶ月。
  • 慢性期は痛みも一段落。刺すような痛みは鈍い痛みに。
  • 回復期は痛みや不快感もなくなり、手が動かしやすくなる。

患者によって治まるまでの期間は異なりますが、五十肩は必ず一定の経過をたどって進みます。

炎症が起こったばかりで激しく痛み、運動制限がある時期を「急性期」、やがて炎症は勢いがおさまって、無理に動かすと痛みがある時期を「慢性期」、腕を動かしても痛みはないけれど十分に動かせない時期を「回復期」と呼び、それぞれ治療法が異なります。

急性期

急性期は安静が第一

急性期(別名は炎症期)とは、関節に起きている炎症が強くて、非常に痛みが強い時期をいいます。

通常、痛み始めてから、短い人で約1ヶ月(3~4週間)、長い人で約2ヶ月ぐらいです。

この時期は、安静第一。

無理に肩や手を動かさないようにして、重いものを持つなど痛みを誘発する運動や作業を中止します。

できれば、日中は三角巾で腕を吊って固定させます。

夜、寝るときは市販のバストバンドで体に腕を巻きつけて固定すると楽でしょう。

薬物療法

非ステロイド性消炎鎮痛薬の投与、外用薬の貼付などにより痛みを和らげます。

痛みがひどくて眠れない場合は坐薬が有効です。

また、局所麻酔薬、ステロイド薬などの局所注射もしばしば行われます。

消炎鎮痛薬は2~4週間内服します。

体操療法

安静が必要な急性期でも固定したままだと癒着が起こるので、体操療法も行ったほうがよいのです。

とはいえ、「ちょっと動かしただけでも痛いのに体操なんて、どうやってやったらいいの?」という声が聞こえてきそうですが、米国の医師コッドマンが考案した「振り子体操」という優れた体操があります。

おもりを持って、前後と左右に振り子のように動かす体操です。

どうということはないように見えるかもしれませんが、非常に優れているのは前かがみになると腕の重みで自然に腕が引き下げられ、さらにおもりで引っ張る力を高めたため、動かすときの痛みが和らげられる点です。

急性期でもこの運動を毎日3回ぐらい行い、そのほかの時間は安静にしておくと無難だと重います。

慢性期にもこの「振り子体操」を勧める医師がいますが、つらくて動かすことができない急性期において唯一可能な体操として優れている方法であり、慢性期には慢性期に適した体操があるので、急性期用として区別したいと思います。

温熱療法

急に激しい痛みが起こって、運動制限も非常に強い場合は氷や市販の保冷パックで冷やしてください。

3~4日たって痛みが落ち着いてきたら、市販の保温サポーターや使いきりカイロなどで温めます。

徐々に痛みがきた場合は、強烈な炎症ではないわけですから冷やす必要はありません。むしろ温めてください。

冷やすのは急激な炎症を抑えるため、温めるのは血行をよくするためです。

痛みの起こり方によって、冷やすか温めるかが違うので、注意が必要です。

慢性期

急性期から1~2ヶ月ほどすると、慢性期に移行します。

肩の痛みも一段落。

急性期の「刺すような痛み」は鈍い痛みに変わり、夜も眠れるようになるでしょう。

しかし、まだ腕を動かすと痛いし、運動制限もあるという状態です。

薬物療法

薬物は原則として痛みの激しい急性期のみに用います。

慢性期はどうしても必要なら就寝前ぐらいにどとめ、日中はなるべく飲まない方がいいでしょう。

体操療法

痛みの強い時期が過ぎたので、少し積極的に行いましょう。

これを行うことでさらに肩の動きが改善されるはずです。

温熱療法

この時期には、肩を温めることが大事です。

毎日、入浴したり、ホットパックやカイロなどで肩を積極的に温めます。

回復期

痛みや不快感がだんだんと少なくなり、手が動かしやすくなります。

おおよその目安として3~6ヶ月ぐらいです。

薬物療法

自覚症状がなくなるので、薬を用いる必要はありません。

体操療法

痛みが消えて一番油断しがちですが、この時期に肩を動かさないと癒着したための運動制限がいつまでも残ります。

そのほか、ラジオ体操を行ったり、以前にスポーツをやっていた人は再開するなど、自分で積極的に努力することが大切です。

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